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Archive for 2020

来年の「精神の〈北〉へ」活動は、東京と福島を予定しています。
福島での活動のうち、未決定事項が残っている喜多方市の開催について、地元のキタ美実行委員会、地域おこし協力隊のお二人とアーティストとのZoomミーティングをしました。

作品理解の糸口としてのワークショップのこと、複数の会場のこと、支援資金の申請のこと…。やはり、メールよりも対話での相談は早い!参加作家の滝沢達史さんの手際の良いPC操作で、たちまち、開催スケジュール案などがまとまりました。このぐらいの人数だと、意見もアイデアも互いに作用しあって、新たなものが生まれてきます。

We had a Zoom meeting about “Spirit of North” 2021 activity in Kitakata City, Fukushima prefecture.
The opinions and ideas of local organizers and artists work together to create new things.

日曜日の9月20日、来年の「精神の〈北〉へ」展の開催の機会を得るために、都内のある美術館でのプレゼンテーション審査を受けました。1次の企画書類審査は合格、そしてこのプレゼンテーションが最終審査になります。
(結果がわかるまでは、美術館名は伏せておきます)

Covid-19の影響で、予定していたスコットランドでの交流展ができなくなってしまったため、計画変更。日本とスコットランドの参加者たちが、離れたままで深いコミュニケーションを継続して制作し、同時開催の展覧会を行い、会場同士をオンラインでつなげることにしたのです。
日本にも会場が必要になりましたが、今から来年の会場を探すのは至難の業。そこで、この応募に挑戦しているわけです。さて、10月に連絡される審査結果はどうなるか?

Yesterday, I gave a presentation at a museum in Tokyo to get the opportunity to hold an exhibition “Spirit of North: Confluence” next year.

Due to the influence of Covid-19, it is no longer possible to hold an exchange exhibition in Scotland together. Therefore, we decided that the participants from Japan and Scotland decided to keep communicating, hold exhibitions at the same time, and connect the venues online.

プレゼンテーションの画面1

プレゼンテーションの画面2

来年の開催にむけて、日本からの参加アーティストは、Covid-19による世界の深刻さがはっきりしてきた5月には4名が決まりました。そして少し後には、日本人アーティストの1対1の交流相手としてのスコットランドのアーティストも4名がきまりました。
誰もが近い未来の計画をたてることに慎重になるとき、私のお誘いを、喜んで受けてくれた参加者たちの心意気に感謝します。

日本からの新メンバー2人とは、作品は知っていたものの、初対面。メールでの話し合いではつかみきれない、この企画の肝心な話をしたくて、Zoomミーティングをやってみました。初めて顔を合わせ、それぞれの〈北〉のイメージを語ってもらうと、北志向の人間性が感じ取れて、この人選で良かった!と実感。

コロナ禍は、来年にも収束しているかどうか予測つきません。深く考え、状況に応じてフレキシブルに対応する感性と力量が試されます。

For next year’s exhibition, the participating artists from Japan and Scotland have been decided from May to June, when the seriousness of the world by Covid-19 became clear.
I would like to thank the participants for their willingness to accept my invitation when everyone is cautious about planning for the near future.

I knew their work but had never met two new members from Japan. I held a Zoom meeting because I wanted to talk about the essentials of this project. We talked about the image of each <North>, I could feel the North-oriented humanity in them. Great members we are!

It is unpredictable whether Covid-19 will converge next year. We are tested for sensitivity and ability to respond flexibly to the situation.

昨年の秋、丸山はフィンランドでの展覧会をスタートさせた後に英国北方のスコットランドに飛んで、Su Griersonさんとの再会のひとときを過ごしました。スーさんは「精神の〈北〉へ」の1回目の参加作家で、2013年の冬、福島県会津地方に招き、共に滞在活動と展覧会をしています。今回、彼女から、東日本大震災から10年目の2021年に、スコットランドでの『精神の〈北〉へ』開催を提案されました。

このような提案は、とてもうれしいことです。なぜなら、企画者の私と同様の強い意欲を持った人と取り組むと、推進力がはるかに大きくなります。これは、フィンランドでの開催で確信しました。交流国双方で準備すると、意欲も、資金獲得も、広報力も倍、片方でするよりもずっと可能性が広がります。今年に入って、私とスーに、スコットランドのアーティスト、ジリアンさんが加わり、私たち三人は運営チームとして2021年のスコットランド開催にむけて準備をスタートしました。少人数のチームワークは強く、だれもが責任感を持って、前へ前へと押していきます。

ところが今年に入ると、新型コロナウィルスが世界中に蔓延し、計画は大きく変更を強いられました。予定していた会場もレジデンスもみんな閉鎖し、日本から英国への渡航自体が、かなり難しくなりました。それなら、会うことのできないこの状況の意味を熟慮し、互いの理解を深める新しい方法を見出すことにチャレンジしよう。今後、このコロナ禍がどう推移するか予測がつかないため、そのような条件にフレキシブルに対応できる感性を見せるアーティストにコンタクトし、日本側作家4名、スコットランド側の作家も4名が決まりました。

開催は両国双方がスペースを設定し、両方の展覧会に8人全員の交流が反映され、互いにリンクした開催にしたいと思います。日本側も会場が必要となり、東京のある企画公募への応募と、久しぶりの会津地方での開催をめざして準備中です。
東北の震災から10年目にむけた、「精神の〈北〉へ」11回目。
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展覧会:精神の〈北〉へ:ふたつの流れが出会うところで  

会期予定:
東京/2021年6~7月、福島/2021年10月
会場:
東京/審査中
福島/喜多方市(南町2850・絵本の蔵・二十間蔵・村藤店蔵)、
西会津町(西会津国際芸術村)
参加作家:
日本/丸山芳子、浅井真理子、滝沢達史、丸山常生
スコットランド/スー・グリアソン、ジリアン・アデア・マクファーランド、カイラ・クレッグ、インゲ・パニルス

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Last fall, I visited Su Grierson in Scotland, north of England. Su is the first participating artist of “Spirit of North” held in the winter of 2013.
She proposed me to hold “Spirit of North”  in Scotland in 2021, the 10th year since the Great East Japan Earthquake.
With the addition of Scottish artist Gillian Adair McFarland to me and Su, the three of us have begun preparations for the 2021 exhibition in Scotland as the organizer team.

However, earlier this year, the new coronavirus spread around the world, forcing a major change in our plans. All the planned venues and residences were closed. Traveling from Japan to the UK has become difficult.
So we decided to consider about this unusual exchange that we cannot meet each other and find new ways to deepen mutual understanding.
We will prepare venues in both countries, and both exhibitions will reflect the exchanges of eight artists, and the venues will be connected to each other remotely.
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Exhibition: Spirit of North: Confluence

Time:
Tokyo/ June-July 2021, Fukushima/ October 2021
Venue:
Tokyo / Under judgment now
Fukushima / Kitakata City( Minamimachi 2850, Ehon-no-kura, Nijukken-gura, Murato-mise-gura)
Nishiaizu Town (Nishiaizu International Art Village)

Participants:
Japan/ Maruyama Yoshiko, Asai Mariko, Takizawa Tatsushi, Maruyama Tokio
Scotland/ Su Grierson, Gillian Adair McFarland, Kyra Clegg, Inge Panneels

日英オーガナイザーZoomミーティング 1回目

3冊の記録集

2020.08.29

プロジェクト「精神の〈北〉へ」は、昨年から今年1月までの交流活動で10回目となりました。そこで10回目のロヴァニエミ美術館(フィンランド)での開催を含む3冊目の記録集を発行し、3冊の記録集で10回の開催のすべてを紹介できるようになりました。売り上げは、すべて今後の活動資金となります。ぜひお求めくださり、応援していただけますとありがたいです。

A : vol.1・・・・・・500円
開催年:2013年
参加作家紹介:
ヴィグディス・ハウグトゥロ、マルグレーテ・オース(ノルウェイ)、スー・グリアスン(英国スコットランド)、丸山芳子(日本)
その他:
3つのトークイベント内容
「北欧の先住民族サミと東北の蝦夷を知る」「捨てられた島 セント・キルダ島の人々」「北欧の冬/会津の冬」

B : vol.2~5・・・・・・700円
開催年:2014~2015年
参加作家紹介:
吉岡まさみ、小林花子、佐立るり子、小野良昌、千葉奈穂子、丸山芳子(日本)、ヘレナ・ユンティラ、アンティ・ユロネン、カイサ・ケラター(フィンランド)
その他:
トークセッション「精神が宿る域-フィンランド人と会津人の自然観」「北方人のスピリット-北欧のサーミと東北の先住民」長谷川浩・山中雄志・菅家博昭・参加作家
シンポジウム「北なるものの精神史」鶴岡真弓・田附勝・藤浩志・赤坂憲雄、「北の美と魂」山内宏泰・山内明美(敬称略)

C : vol.6~10・・・・・・600円
開催年:2017~2020年
参加作家紹介:
赤阪友昭、石倉敏明、高島正志、田附勝、千葉奈穂子、中津川浩章、丸山常生、丸山芳子(日本)、アウリ・アホラ、ティッタ・コート、ユッカ・タルキアイネン、ミア・ハマリ、ヘレナ・ユンティラ(フィンランド)、アマンダ・ビルバリ(スウェーデン)、ヴィグディス・ハウグトゥロ(ノルウェイ)


記録集を販売いたします。
複数のご注文の場合は、1冊につき100円のお値引きをいたします。
例)ABC1冊ずつ3冊購入の場合、400+600+500=1,500円+送料

<注文購入>
重さによって最も安価な方法でお送りします。
ご希望の冊子(ABCから)、冊数、お名前、郵便番号、ご住所を以下のメールアドレスまでご連絡ください。ご請求額をお知らせいたします。
丸山芳子 maryoshi@me.com

振込銀行:ゆうちょ銀行
記号:10080
番号:72648501
宛名:精神の<北>へ実行委員会
ふりがな:セイシンノキタヘジッコウイインカイ

(ゆうちょ銀行以外の金融機関からの振込の場合)
店名:008
店番:008
預金種目:普通預金
口座番号:7264850

<直接購入>
東京/
TOKI Art Space
東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F tel:03-3479-0332
12:00-19:00  休廊:水曜日
通常は水曜日のみ休廊ですが、昨今の新型コロナウィルス対応のために変更の可能性があります。ご連絡してからお出かけください。

福島/
コミュニティスペース「茶の間」
福島県喜多方市字東町4086 アロマ蔵(会陽館の裏手)
地域おこし協力隊事務所 隊員:田村幸絵さんまで
購入可能:月・火・木・金曜日の8:30~17:15

左から A: vol.1 / B: vol.2-5 / C: vol.6-10

ロヴァニエミ美術館での開催終了に合わせてフィンランドに渡航し、1月25日の最後のパフォーマンス公演で再会するアーティストたちに渡せるようにと、正月返上の激務でまとめた「精神の〈北〉へ vol.6~10」はプロジェクトの3冊目の記録集です。

2017年から2019年までの、西会津国際芸術村(福島県西会津町)、東京都美術館、ギャラリー・オフグリッド(福島市)、トキ・アートスペース(東京)、ロヴァニエミ美術館(フィンランド)での開催内容と、vol.6~10の全参加作家のステイトメントと展示作品を紹介しています。

とりわけ、フィンランド北部ラップランドでの滞在交流とすばらしい共鳴を生んだ展覧会vol.10の紹介は、ロヴァニエミ美術館カタログにも載せられていない開催内容を伝え、充実した交流活動の一端を見ることができます。

記録集vol.6~10の表紙と裏表紙

vol.6, 2017 西会津国際芸術村での開催

vol.7, 2017 東京都美術館での開催

vol.10, 2019 フィンランド滞在活動とロヴァニエミ美術館での開催

vol.10, 2019 ロヴァニエミ美術館での開催

昨年9月から今年1月まで、4ヶ月の開催を続けた「精神の〈北〉へ vol.10」は、開催中に5回のパフォーマンス公演と、2回のアーティスト・トークを催しました。開催前から新聞やインターネットメディアで紹介され、通常の展覧会を上回る入場者を迎えられたようです。記事の展覧会評や観客の反応はどれも好意的だったと、美術館キュレーターからの報告を受けました。
開催終了に合わせて冬のフィンランドに渡航し、立ち会った最後のパフォーマンス公演日には、オープニングでも会った何人かの観客も再び見に来てくださり、最後の名残を惜しむようでした。

オープンに合わせて美術館が作成したカタログは、参加作家の旧作とアーティストステイトメントをまとめています。リーフレットと共に、フィンランド語・英語・日本語を併記してつくられ、日本発のプロジェクトを尊重してくださっているのがうれしいです。
Hilkka Liikkanen館長のあいさつ、Ulla Kinnunenさんの巻頭文(2011-16 東京のフィンランドセンターにて文化・コミュニケーションマネージャーとして務められ、当プロジェクトの2015年の喜多方市の開催にも来場している)、丸山芳子のフィンランドと当プロジェクトの強い縁をつづるテキストのほか、日本・フィンランド・スウェーデンからの参加アーティスト11名のステイトメントと作品画像を紹介しています。

カタログ表紙   丸山芳子作品「森羅万象というあなた #1706」2017

ヘレナ・ユンティラのページ 作品「ブラックダイヤモンド」2019

丸山芳子のページ 作品「沢の音-昭和村」2014