Art Work

自然へ II、満月




※画像をクリックで拡大表示します。

vol.1参加作品

コンセプト

自然が家屋の中に侵入している。人々が去ると、盛り返した自然がその場を奪い取る。高く生い茂った草の風景は、その地の過去を物語る。人々が都市に移って行ったり、土地が汚染されて、そこを去らなければならなかったり、ということを。

私たちは、南相馬の風景に高く茂る草を見た。それは、喪失と敗北の悲しい物語を語りかけてくる。しかしそれは、自然が持つ伸び上がる能力や、自然の力が内包する継続的な循環を証明する姿でもある。

 私の作品では、外の自然を室内に持ち込んで満たし、私たちの内にある自然なるものを外に解放したいと思った。私はサミやアメリカインディアン、イヌイットのような民族の生き方、つまり、自然を師とし、人間を取り巻く自然の精霊とつながっている生き方に触発されている。人間を自然の上位に置かず、資源は与えられたものとして扱い、しかし自然と協調し、その威力と協働する、そのような自然と一体であろうとする彼らの考え方に感動している。