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Archive for 2025

前回の開催は、コロナ禍によってスコットランドとの交流活動が何重にも阻まれた2021年でした。それを乗り越えるために出し合った知恵と工夫のなかには、今後の活動にとっての可能性という果実も見出すことができました。

そして、今年の「精神の〈北〉へ」は、vol:15 喜多方展、vol.16 東京展。日本—フィンランド—アイルランドの3カ国出身の5名のアーティストによる交流活動です。
昨年までの開催を振り返ってみて、じっくりとアーティスト同士や地域や人に向き合うというこのプロジェクトの根幹が、ときには展覧会が目的のようになる開催もあったため、今年は、基本に還るつもりで取り組みたいと思います。

⚫︎喜多方市の2会場の、異なる趣き

・ギャラリー金田:
「蔵のまち喜多方」の姿を再生させようと設立された市民有志の会社(蔵の街喜多方株式会社)が手がけた第1号、市内最古のレンガ蔵です。

・大和川ミュージアム四方(よも)の良志久庵(らしくあん):
大和川酒造店内に位置する二間続きの美しい座敷です。

雄大な山並みと温泉と美酒と地元料理と。ゆったりした時間が流れる蔵のまちに、現代アートの共鳴を試みます。

⚫︎トークセッション

5名のアーティストと川延安直氏(会津地域文化藝術フォーラム アドバイザー / NPOはるなか 理事長)

川延さんは、福島県立博物館の学芸員当時、東北の震災直後にこのプロジェクトの開始のきっかけをつくって下さった恩人といえます。その後の「精神の〈北〉へ」の活動を、ずっと目撃し応援した方との対話から、なにが見えてくるでしょうか。

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⚫︎東京での開催

いりや画廊(台東区入谷)で、高い天井の広々とした空間の1階と小部屋の2階で展示します。ギャラリーならではの自由度が高い設営条件のなかで、どのように5名の表現が個を発揮し、同時に、喜多方での交流活動を経てどのように響くものが生まれるでしょうか。

⚫︎トークセッション

5名のアーティストと石倉敏明氏(芸術人類学・神話学 / 秋田公立美術大学准教授)

石倉さんは、今回の日本とフィンランドのアーティストと共に、フィンランドのロヴァニエミ美術館での「精神の〈北〉へ vol.10」開催に参加されました。
アーティスト達が今年の活動を総括して語る実感に、人類学者からはどのような共鳴を導き出すでしょうか。

 

 

 

今年の「精神の〈北〉へ」では、初めて南半球出身のアーティストを招くことに期待をしていましたが、昨年11月、残念ながら個人的な都合で参加を辞退する連絡を受けたため、新たに構成した多様なメンバーで開催いたします。

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精神の〈北〉へ 2025 :ひとは北に何をみるのか

北に惹かれる人々には、何か共通の精神性があるのではないだろうか?
「精神の〈北〉へ」プロジェクトはこの探究心を原動力に、北を志向する人や世界の北方の人、多様な専門分野の人が、方角の北ではない「心に思い描く北、精神的ディメンションの北」とは何かを探ります。それは、北という鍵で人類の志向の謎を解き明かす、地球規模の協働探求なのです。

Artist

丸山 芳子  Maruyama Yoshiko:福島生まれ、東京在住
丸山 常生 Maruyama Tokio:東京生まれ、在住
ヘレナ・ユンティラ Helena Junttila:フィンランド生まれ、在住
ユッカ・タルキアイネン Jukka Tarkiainen:フィンランド生まれ、在住
スザンヌ・ムーニー Suzanne Mooney: アイルランド生まれ、東京在住

●交流活動・展覧会・フォーラムディスカッション/

福島県会津地方にそびえる連峰に囲まれた喜多方市に滞在し、山や森の自然環境と密接に育まれた文化・産業などをリサーチし、地域の人々や専門家との交流をします。この地域と、参加アーティストそれぞれの故郷の地に受け継がれた精神文化や生活文化には、どんな類似や差異があるのでしょう?対話を重ね、それらの体験から生まれた作品も加えて、喜多方市と東京にて展覧会を開催し、フォーラムディスカッションにて、交流の成果を観客とも共有します。

vol.15 喜多方展:ギャラリー金田、大和川ミュージアム四方の良志久庵(福島県喜多方市)

vol.16 東京展:いりや画廊(東京都台東区入谷)


ギャラリー金田、大和川ミュージアム四方の良志久庵(喜多方)、いりや画廊(東京)