2021.03.31
来年の「精神の〈北〉へ」活動は、東京と福島を予定しています。
福島での活動のうち、未決定事項が残っている喜多方市の開催について、地元のキタ美実行委員会、地域おこし協力隊のお二人とアーティストとのZoomミーティングをしました。
作品理解の糸口としてのワークショップのこと、複数の会場のこと、支援資金の申請のこと…。やはり、メールよりも対話での相談は早い!参加作家の滝沢達史さんの手際の良いPC操作で、たちまち、開催スケジュール案などがまとまりました。このぐらいの人数だと、意見もアイデアも互いに作用しあって、新たなものが生まれてきます。
We had a Zoom meeting about “Spirit of North” 2021 activity in Kitakata City, Fukushima prefecture.
The opinions and ideas of local organizers and artists work together to create new things.
2020.09.21
日曜日の9月20日、来年の「精神の〈北〉へ」展の開催の機会を得るために、都内のある美術館でのプレゼンテーション審査を受けました。1次の企画書類審査は合格、そしてこのプレゼンテーションが最終審査になります。
(結果がわかるまでは、美術館名は伏せておきます)
Covid-19の影響で、予定していたスコットランドでの交流展ができなくなってしまったため、計画変更。日本とスコットランドの参加者たちが、離れたままで深いコミュニケーションを継続して制作し、同時開催の展覧会を行い、会場同士をオンラインでつなげることにしたのです。
日本にも会場が必要になりましたが、今から来年の会場を探すのは至難の業。そこで、この応募に挑戦しているわけです。さて、10月に連絡される審査結果はどうなるか?
Yesterday, I gave a presentation at a museum in Tokyo to get the opportunity to hold an exhibition “Spirit of North: Confluence” next year.
Due to the influence of Covid-19, it is no longer possible to hold an exchange exhibition in Scotland together. Therefore, we decided that the participants from Japan and Scotland decided to keep communicating, hold exhibitions at the same time, and connect the venues online.
来年の開催にむけて、日本からの参加アーティストは、Covid-19による世界の深刻さがはっきりしてきた5月には4名が決まりました。そして少し後には、日本人アーティストの1対1の交流相手としてのスコットランドのアーティストも4名がきまりました。
誰もが近い未来の計画をたてることに慎重になるとき、私のお誘いを、喜んで受けてくれた参加者たちの心意気に感謝します。
日本からの新メンバー2人とは、作品は知っていたものの、初対面。メールでの話し合いではつかみきれない、この企画の肝心な話をしたくて、Zoomミーティングをやってみました。初めて顔を合わせ、それぞれの〈北〉のイメージを語ってもらうと、北志向の人間性が感じ取れて、この人選で良かった!と実感。
コロナ禍は、来年にも収束しているかどうか予測つきません。深く考え、状況に応じてフレキシブルに対応する感性と力量が試されます。
For next year’s exhibition, the participating artists from Japan and Scotland have been decided from May to June, when the seriousness of the world by Covid-19 became clear.
I would like to thank the participants for their willingness to accept my invitation when everyone is cautious about planning for the near future.
I knew their work but had never met two new members from Japan. I held a Zoom meeting because I wanted to talk about the essentials of this project. We talked about the image of each <North>, I could feel the North-oriented humanity in them. Great members we are!
It is unpredictable whether Covid-19 will converge next year. We are tested for sensitivity and ability to respond flexibly to the situation.
開催スタートとして
9/20:セミナーとして4つの講演、夕方よりオープニングレセプションとパフォーマンスによって会場が開かれました。
9/21:はパフォーマンスデイとして、再び3つの公演がありました。
•丸山芳子 & ヘレナ・ユンティラ/Maruyama Yoshiko & Helena Junttila(アーティスト・vol.10の共同オーガナイザー/Artist, Co-organizer of vol.10 Exhibition)
•石倉敏明 /ISHIKURA Toshiaki (芸術人類学 /Art Anthropology)
•モニカ・テンバリ/Monica Tennberg (Arctic Centre, University of Lapland)
•ソイリ・ニュステン-ハーララ /Soili Nysten-Haarala (Faculty of Law, University of Lapland)
•ティッタ・コート&アウリ・アホラ/Titta Court & Auri Ahola
•ウッラ・キンヌネン(元フィンランドセンター文化・コミュニケーション担当官) 開催の挨拶 /Ulla Kinnunen (Former Head of Culture and Communications of The Finnish Institute in Japan): Opening the exhibition
•アマンダ・ビルバリ/Amanda Billberg
•丸山常生 /Maruyama Tokio
丸山芳子「精神の〈北〉へ -発想の地に還る」
Maruyama Yoshiko [Spirit of “North” – Returning to the birthplace of the project concept]
2010年ラップランドの旅で、丸山が見出した北方同士を見つめる活動の発想は、プロジェクトとなってその地に還ってきた。
丸山とユンティラによる、互いの民族を知るためのQ&A。
“Q & A to know Japanese and Finnish” by Maruyama and Junttila.
石倉敏明 / Ishikura Toshiaki「Rethinking “North” from the Tohoku region of Japan」
開始したばかりのvol.10の各作品を引用しつつ、人類学的な視点で様々な比較を
モニカ・テンベリ
モニカ・テンバリ
Monica Tennberg [Negotiating Risk and Responsibility: Political Economy of Flood Protection in Northen Finland]
ソイリ・ニュステン-ハーララ
Soili Nysten-Haarala 「Risks and Benefits of Oil Production in the Arctic]
このプロジェクトと開催の経緯を紹介する、ロヴァニエミ美術館キュレーターのアイラ・フオビネン(左)
Aira Huovinen, the curator of Rovaniemi Art Museum introduced this project and the process to the exhibition vol.10.
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ティッタ・コート&アウリ・アホラ「樹氷」/ Titta Court was my & Auri Ahola [Tykky]
予告なしに始まった音楽とダンスに、会場の人々が集まる。雪の重みでしなったり落雪で突然形を変えたりする様子が想像できた。 この開催のために創作したという表現に、試練に負けない東北の人々が重なって見えた。
ウッラ・キンヌネン(Tuusula 美術館館長、2011-16年の間フィンランド大使館の文化部門であるフィンランドセンター 文化・コミュニケーション担当官) 開催の挨拶
Ulla (Museum and Cultural Director of the Municipality of Tuusula, Former Head of Culture at The Finnish Institute in Japan in 2011-2016): Opening the exhibition
ウッラさんは、このプロジェクトのフィンランドとの交流開催(2015年、福島県喜多方市)に来場し、各会場や滞在住宅を見て回られた。被災した東北各地を知るウッラさんの挨拶は、このプロジェクトの開始やvol.10開催の背景を伝えることとなり、聴く人々の胸を打った。
アマンダ・ビルバリ「キャット・トーク」/Amanda Billberg [Cat Talk]
猫に扮するアマンダが観客をひとり招き入れ、3つのテーマからひとつを選ばせて展開するダンス。
丸山常生「Reconnected things – Geos」 1日目
Maruyama Tokio[Reconnected things – Geos] 1st day
丸山常生「Reconnected things – Geos」2日目/ Maruyama Tokio[Reconnected things – Geos] 2nd day
この場の状況から生み出す行為によってあらわれる様々な偶然の
2019.03.02
いよいよ開催の年になりました。
プロジェクト企画者の丸山芳子と、フィンランド作家で2015年に来日参加したヘレナ・ユンティラ、ロヴァニエミ美術館のキュレーター、アイラ・フオヴィネンは、フィンランドのロヴァニエミ美術館での開催をめざして、運営チームとして取り組んでいます。メールでの相談は2017年の秋から始まり、協力したり、励ましたり、喜び合ったり。とても良いチームワークです。
4月から8月の開催予定でしたが、観客が多く見込まれ、参加作家のリサーチにも適した季節の秋からの開催に変更することにしました。開催資金がまだ充分ではないため、半年の猶予期間にさらなる対策ができるように、ということも理由のひとつです。
フィンランドの美しい秋、とりわけ自然豊かな北方地域ラップランド地方へ旅し、「精神の〈北〉へ」の発想が生まれた理由を探ってみるのはいかがでしょう?
Korundi, Rovaniemi Art Museum
Lapinkävijäntie 4, 96100 Rovaniemi, Finland
https://www.korundi.fi/en/Rovaniemi-Art-Museum
2018.02.16
福島市のギャラリー・オフグリッドでの開催初日の2月18日には、オープニング・トークイベントを行ないました。
県外遠方からの方も含め、会場いっぱいの方々にご来場いただきました。
福島県立博物館の館長を務め「東北学」の提唱者でもある赤坂さんは、震災以降は東北の再生のために尽力し、発言されています。このプロジェクトは、赤坂さんや博物館の学芸員の方々の応援によってスタートを切ることができ、その後は自力開催を続けながらも、東北へ向ける思いには共振するものがあります。
催しは、主催者「ふくしま自然エネルギー基金」代表の佐藤彌右衛門さんのご挨拶からスタート。
トークイベントの前半は、丸山芳子によるプロジェクトの紹介プレゼンテーション。このプロジェクトをすべて目撃しているのは丸山以外にいないので、紹介できる良い機会です。赤坂さんからは、「このプロジェクトは丸山さんの作品」との言葉をいただきました。
まちがいなく、過去6回のなかで最も充実した開催でした。なぜなら、今回の参加アーティスト9名は、このプロジェクトのスタートまでさかのぼって、これまでの海外からの参加作家や多様なかたちで関わりを持った表現者のなかから、今回のテーマにフィットするメンバーを組んだのですから。そして、視覚と聴覚と、動きによる時間の連なりや、音の反響による空気感、会場外から侵入する音や階上から様子をうかがう人の姿もが、表現空間を有機的に豊かにする要素となった、奇跡のような出来事でした。
毎日がライブ感のある開催で、連日連夜、翌日の準備が必要だったため、開催中の高揚を記すことができませんでしたが、「ニュース」の記録やfacebookページから想像してみてください。(撮影:川崎三木男さん)
【5月17日】午後、スウェーデンからアマンダ・ビルバリが到着。約1ヶ月の日本滞在で、西会津町(福島県会津地方)と東京での制作と発表をします。これまで海外からアーティストを招く場合は3人でしたが、今後の継続可能な活動方法を探り、コンパクト化を試みるため、今回は彼女ひとり。運営経費や気苦労が軽減される上に、じっくり向き合えたと思います。
【5月19日】西会津町に移動した翌日から、さっそく町のリサーチに取りかかります。実行委員会メンバーの阪下昭二郎さんの案内で、町の南側に点在する弘法岩屋、鳥追観音、蝦夷神社、大山祇神社などを回りました。アマンダは会津の風景の中でのダンスを映像作品にしたい希望があり、その視点でフィットする場を探します。
私(丸山芳子)の一番のおすすめはこの写真の大山祇神社。太い杉古木の参道は足元の石まで苔むして、野趣と神聖な気に満ちています。リーフレットに使った写真もこの場所。
【5月20日】翌日も撮影ポイントのリサーチ。芸術村事務長の星眞智子さんの案内で、今度は町の北部を回ります。星さんおすすめの弥生には、小川の周辺に神秘的な雰囲気が保たれている急流があります。アマンダはすぐにカメラに三脚をセットし、ダンスの身支度をして撮影に入りました。思いがけず撮影現場を目撃でき、被写体になるだけでなく、こうやって撮影も音の採取も編集もすべて自分でするアマンダの力量を再認識しました。
撮影を終えて、映像や音の素材が揃ったアマンダは、編集作業に入ります。この映像は東京都美術館で彼女の作品として投影されます。
私たちが芸術村での公開日までに制作できるのは正味8日間程度。日々テキパキと事を進めないといけない。
そう思いつつ、この地域に滞在しているという貴重な機会をもっと地元の方との交流にあてたい!アーティストとしてはこのような機会だからこそ、思い切りここで表現したい!そして日数と経費の制限もある…こんなジレンマがいつもあります。
【5月21・22日】丸山芳子は、人間と人間以外のあらゆる存在が向き合う光景を、石膏片で表現する2組のジオラマで作ろうとしています。そのシンボルのように立つのは、人間の足と、人間が向き合おうとする「他者」の足。動植物やスピリットや伝承の神様や天体などのあらゆるものを象徴する「他者」の足には、ダンスで鍛えたアマンダの筋肉質で少し大きめの足がぴったり!ということで、型取りさせてもらいました。
【5月22日】地元のケーブルテレビが取材に訪れました。「北欧の国スウェーデンからやってきた美しいダンサーを、みんなで見に行きましょう!」という筋書か?ともかくアマンダをロマンチックに演出して撮って行きました。丸山の出番はこの作業シーンだけ。24日の放送を見て、アマンダはもっとマッチョなダンサーだよね〜ふたりで大笑い。
【5月25・26日】廊下の水道前で石膏片をつくる丸山芳子から見える、アルミホイル片をつくるアマンダと、公演の音響環境を整える西会津サウンドネットワークの加藤英二さん。それぞれが作業中。
アマンダと矢部さんは映像用に暗幕を取り付け、丸山常生も芸術村入りしてパフォーマンス用のセッティング。
【5月27日】 公開イベント当日。午前中に伊藤勝町長と伊藤善文商工観光課課長が来場され、アマンダの映像に興味を示して行かれました。
出演者のひとりがアクシデントで遅れそう!肝を冷やしたけれど、矢部さんの機転で別の交通手段が提案され、切り抜けられました。よそものの自分たちだけだったらこうは行かないはず。地元の方々との恊働の大切さを実感します。
あとはみんなの無事の到着を待つだけ。
(開催の様子は「ニュース」をご覧下さい。)
西会津国際芸術村は、最寄り駅や繁華街から車で15~20分の距離がある山間地域寄りにありますが、そのユニークな活動と発信力によって注目され、多様なメディアで紹介されています。
ディレクターの矢部佳宏さんには2014年から「精神の〈北〉へ」に関わっていただいています。運営人材や資金の確保が容易ではない現状におけるプロジェクトの継続について考えたい今、ここでの滞在活動を経験し、ヒントを探してみようと思いました。
芸術村の玄関にかけられている芸術村メンバーのみなさんの名札。
車の運転をしない私たち滞在者(丸山芳子とアマンダ・ビルバリ)のために、リサーチや制作活動のサポートばかりでなく、食料の買い出しやビューポイントの紹介、開催日の出演者の送迎なども助けていただきました。名札のほかにも「地域おこし協力隊」の池田麗奈さん、すばらしい音響環境を用意してくださった加藤英二さん、西会津の精神性ポイントを案内して下さった阪下昭二郎さん、通訳してくださった楢崎萌々恵さん、この滞在活動を受け入れ支援して下さった西会津町など、多くの方に支えられた滞在でした。
2017.02.26
今年は国内外からの9名の参加者で開催いたします。 これまでのようなヴィジュアルアートに、身体や音による表現を加えて、互いがどのような反応を生み出すか試みます。
Amanda Billberg :ダンス(スウェーデン)
初来日して福島県会津地方の山間部と東京での滞在を体験する予定です。その全く異なる環境が、アマンダさんの表現にどのように取り込まれるのか、公演が興味深いです。彼女のダンスからは、テクニックや美しさではなく、そこにヒトという生き物が存在しているという印象を受け、このプロジェクトに招くことを決めました。
Vigdis Haugtrø:絵画(ノルウェイ)
2013年の冬、このプロジェクトのスタートに参加したヴィグディスさんは、会津地方の大工さん達との恊働制作で茶室のような蔵をつくったり、インスタレーション作品を制作しました。今回は、ぜひ彼女の絵画の魅力を紹介したいと思います。この絵は「エルフ」、小さな妖精、いたずらな小人です。
Helena Junttila:絵画(フィンランド)
2015年の開催に来日参加し、会津地方の美しい秋を体感しながら精力的に制作したヘレナさん。その絵にしばしば登場する熊の存在を、会津でも感じ取っていたそうです。独自の神話の世界では、あらゆる生き物が言葉を介する事なく通じ合っているかのようです。作品は「トンボ」。
2015.10.20
プログラムの詳細は:「活動の記録」→「活動の計画vol.4&5」をクリック
日々の滞在活動記録は:トップページから「精神の<北>へ facebookページ」へ
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The detail of the program: “archive” → “vol.4 & 5”
The document of the stay and activity: Top → Facebook page
2015.06.12
この秋の活動に向け、三島町に続き、喜多方市に滞在場所を探しています。
フィンランドからのアーティストと研究者を招き、東北出身のアーティストと共に、三島町と喜多方市を滞在拠点として会津地方を廻る計画です。
森に精霊をみる人たちが、会津をどんなふうに感じるのだろう?
そのような対話を、人々と共有することを期待しているのです。
We are looking for the suitable residence in Kitakata, Fukushima for the activity in this autumn.
喜多方には、交通の便さえ良ければ多目的活用にふさわしい、たくさんの魅力的な施設や空き家が、活かされる時を待っていることがわかります。
中心市街からは遠いため、車がないと難しい。通いやすかったら、すごくいいのですが…
2015.06.04
この秋、森や木との精神的な結びつきを持つフィンランドからアーティストたちを迎えるので、滞在のスタートは、豊かな自然を体感できるエリアにしたい。 そんなわけで、三島町を訪れました。キーパーソンの方々にプロジェクトについて説明すると、さまざまな提案を出してくださり、滞在日数が足りないぐらい!
問題は、木彫のアンッティの作業をどこでするか…?
三島町生活工芸館に、うってつけの工房がありました。
2015.01.25
まもなく開催のシンポジウムの詳細です。ぜひお出かけ下さい。