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Archive for 2017

高島 正志

2017.12.23

田附 勝

2017.12.23

石倉 敏明

2017.12.23


Art Works

ダンス「Silver Falling」

vol.6参加作品

丸山 常生

2017.12.23

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今年6月に開催した東京都美術館での「精神の〈北〉へ vol.7」は、北欧3カ国と日本からの9名の表現がひとつの広大な会場に共存し、作品同士が自然に共鳴し続ける有機的な空間となりました。

そのときの北欧と日本のアーティストの絵画と映像に、新たな作品を加え、福島市にてご紹介します。
展示会場は、生き物や精霊の気配をひそませる森の中のような雰囲気で満たされるでしょう。

会場は、3.11後の福島に向き合い、新たな文化の創造と発信の拠点として設立したギャラリー・オフグリッドです。東京会場を見逃した方、福島近県の方は、ぜひお出かけ下さい。

We will introduce again the painting and video art of Japanese and Scandinavian artists, those  works were exhibited in [Spirit of “North” vol.7] at Tokyo Metropolitan Art Museum in June, 2017. That first exhibition in 2018 will be held at Gallery Off Grid in Fukushima city.

精神の〈北〉へ vol.8 かすかな共振をとらえて

Spirit of “North” vol.8     Sensing Faint Resonances

【展覧会 / Exhibition】

会期:2018年1月18日(木)~2月21日(水)10:30~17:00 無料 / 18 Jan. ~21 Feb. , free
休廊:土・日・祝日(1/20・1/21のみ開廊)/ Closed on Sat. Sun. Holyday, except for 20 & 21 Jan.
会場:ギャラリー・オフグリッド(福島県福島市荒町4-7 県庁南再エネビル3F) / Gallery Off Grid (4-7 Aramachi, Fukushima city, Fukushima prefecture.)

*専用駐車場はございませんのでご注意下さい。/ No parking space of the gallery.
*丸山在廊日 1/18~21、2/21    / Maruyama, director of this project at the gallery on 18~21 Jan. and 21 Feb.

アーティスト:
アマンダ・ビルバリ Amanda Billberg(スウェーデン / Sweden)
ヴィグディス・ハウグトゥロ Vigdis Hougtrø(ノルウェイ / Norway)
ヘレナ・ユンティラ Helena Junttila(フィンランド / Finland)
丸山芳子 Maruyama Yoshiko(日本 / Japan)

 

【オープニング・トークイベント / Talk event】
丸山芳子 x 赤坂憲雄「北へ、曠野へ」/ Maruyama Yoshiko x Akasaka Norio [To the North, to the Wild]
2018年1月18日(木)19:00~20:00 / 18 Jan. 19:00~20:00
無料・予約不要 / free

主催・お問い合わせ:一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金
tel:024-525-8155 mail: contact@fukushimafund.or.jp

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精神の〈北〉へ vol.7 かすかな共振をとらえて

Spirit of “North” vol.7     Sensing Faint Resonances

参加者 / participants
アマンダ・ビルバリ Amanda Billberg
ヴィグディス・ハウグトゥロ Vigdis Hougtrø
ヘレナ・ユンティラ Helena Junttila
石倉敏明 ISHIKURA Toshiaki
高島正志 TAKASHIMA Masashi
田附勝 TASTUKI Masaru
千葉奈穂子 CHIBA Naoko
丸山常生 MARUYAMA Tokio
丸山芳子 MARUYAMA Yoshiko

 

2017年6月9日−18日 / 9-18 June, 2017

 

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

 

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

 

この展覧会の構成で何よりも吟味したことは、広く高い天井の空間に配置した個々の作品からわき上がる表現の気のようなものが、互いに魅き合いからみあって、思いがけない化学反応を起こすことです。

立体作品や頭上の照明の支柱によって壁や床の作品に影がかかること。映像や音楽の4つの音に加えて地下鉄の通過音が、強弱の波を生みながら互いにかぶって聴こえていること。これらは通常の展示なら困りものですが、この場で偶然に発生するかかわり合いの現象を積極的に生かすことで、ひとつの空間内に有機的な共振が生まれ、民族や地域やフィールドの差を超えた「精神の〈北〉へ」の世界観が現れました。

 

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

 

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

 

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

 

東京都美術館にて開催した展覧会 [ 精神の〈北〉へ -かすかな共振をとらえて- ] 参加作家9名の作品をご紹介します。 作家や作品の詳細は、今後「アーティスト」や「活動の記録」ページにて紹介する予定です。

It’s introduction about the 9 participants of [ Spirit of “North:”  Sensing Faint Resonances ] at Tokyo Metropolitan Art Museum.

ヴィグディス・ハウグトゥロ(ノルウェイ)/ Vigdis Hougtrø (Norway)

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水彩 / Watercolor :「Elf」「Dream」「Winter Apples」など5作品、 2010
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水彩 / Watercolor:「Indigo River」2016

 

ヘレナ・ユンティラ(フィンランド)/ Helena Junttila (Finland)

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墨絵 / Sumi ink painting: 「Stop falling!」「Bear」「Dragonflies」2017 など10作品。

高島正志(日本) / TAKASHIMA Masashi (Japan)

音楽 / Music:「Music And Poetry For Sound Memories」
会津地方で採取した音などによるサウンド。ヘレナ
・ユンティラ作品の下に音源を設置(上写真)。

 

丸山芳子(日本) / MARUYAMA Yoshiko (Japan)

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水彩:「発生」「ある日の空」2017、「けものとひと-昭和村-」2014、など12作品
Watercolor: Dawm, Indication, Creatures and Humans, and so on 12 pieces.

 

人や動植物、川や月、精霊や伝承の生き物などが描かれた3名の絵画作品は、互いに融和し呼び合い、共鳴する絵画空間を醸し出しています。

 

石倉敏明 & 田附勝(日本)/ ISHIKURA Toshiaki  & TATSUKI Masaru (Japan)

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

インスタレーション:「古いみちのくの断片を保て」2017
Installation: To Sustain Fragments of Old Michinoku, 2017

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

石倉敏明 人類学講演:「東北に生きる造形思考」
Lecture: ISHIKURA Toshiaki (Anthropologist)

 

千葉奈穂子(日本)/ CHIBA Naoko (Japan) 

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

写真:「子安観音さま」「山裾のほこら」「三島の桐」2015 など11作品
Photograph: 11 pieces, Small Shrines in Skirts of a Mountain, The Paulownia of Mishima, and so on.

 

 

丸山芳子(日本)/ MARUYAMA Yoshiko (Japan) 

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

インスタレーション:「森羅万象というあなた」2017
Installation: You, The Universal Creation, 2017

 

 

アマンダ・ビルバリ(スウェーデン)/ Amanda BILLBERG (Sweden)

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

映像 / Video art:「Falling in Forest2017、2作品

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

ダンス / Dance:「Falling in Silver2017

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

公演日以外にも予告なしでダンスを行ないました。

 

 

丸山常生(日本)/ MARUYAMA Tokio (Japan)

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

インスタレーション / Installation:連接体ー「そこに、たちあがり…」2017

 

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

パフォーマンス / Art Performance:「トランジション・シリーズ」より

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

【5月17日】午後、スウェーデンからアマンダ・ビルバリが到着。約1ヶ月の日本滞在で、西会津町(福島県会津地方)と東京での制作と発表をします。これまで海外からアーティストを招く場合は3人でしたが、今後の継続可能な活動方法を探り、コンパクト化を試みるため、今回は彼女ひとり。運営経費や気苦労が軽減される上に、じっくり向き合えたと思います。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

【5月19日】西会津町に移動した翌日から、さっそく町のリサーチに取りかかります。実行委員会メンバーの阪下昭二郎さんの案内で、町の南側に点在する弘法岩屋、鳥追観音、蝦夷神社、大山祇神社などを回りました。アマンダは会津の風景の中でのダンスを映像作品にしたい希望があり、その視点でフィットする場を探します。
私(丸山芳子)の一番のおすすめはこの写真の大山祇神社。太い杉古木の参道は足元の石まで苔むして、野趣と神聖な気に満ちています。リーフレットに使った写真もこの場所。

 

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撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

【5月20日】翌日も撮影ポイントのリサーチ。芸術村事務長の星眞智子さんの案内で、今度は町の北部を回ります。星さんおすすめの弥生には、小川の周辺に神秘的な雰囲気が保たれている急流があります。アマンダはすぐにカメラに三脚をセットし、ダンスの身支度をして撮影に入りました。思いがけず撮影現場を目撃でき、被写体になるだけでなく、こうやって撮影も音の採取も編集もすべて自分でするアマンダの力量を再認識しました。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影を終えて、映像や音の素材が揃ったアマンダは、編集作業に入ります。この映像は東京都美術館で彼女の作品として投影されます。

私たちが芸術村での公開日までに制作できるのは正味8日間程度。日々テキパキと事を進めないといけない。
そう思いつつ、この地域に滞在しているという貴重な機会をもっと地元の方との交流にあてたい!アーティストとしてはこのような機会だからこそ、思い切りここで表現したい!そして日数と経費の制限もある…こんなジレンマがいつもあります。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

【5月21・22日】丸山芳子は、人間と人間以外のあらゆる存在が向き合う光景を、石膏片で表現する2組のジオラマで作ろうとしています。そのシンボルのように立つのは、人間の足と、人間が向き合おうとする「他者」の足。動植物やスピリットや伝承の神様や天体などのあらゆるものを象徴する「他者」の足には、ダンスで鍛えたアマンダの筋肉質で少し大きめの足がぴったり!ということで、型取りさせてもらいました。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

【5月22日】地元のケーブルテレビが取材に訪れました。「北欧の国スウェーデンからやってきた美しいダンサーを、みんなで見に行きましょう!」という筋書か?ともかくアマンダをロマンチックに演出して撮って行きました。丸山の出番はこの作業シーンだけ。24日の放送を見て、アマンダはもっとマッチョなダンサーだよね〜ふたりで大笑い。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

【5月25・26日】廊下の水道前で石膏片をつくる丸山芳子から見える、アルミホイル片をつくるアマンダと、公演の音響環境を整える西会津サウンドネットワークの加藤英二さん。それぞれが作業中。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

アマンダと矢部さんは映像用に暗幕を取り付け、丸山常生も芸術村入りしてパフォーマンス用のセッティング。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

【5月27日】 公開イベント当日。午前中に伊藤勝町長と伊藤善文商工観光課課長が来場され、アマンダの映像に興味を示して行かれました。

 

撮影:アマンダ・ビルバリ

撮影:アマンダ・ビルバリ

出演者のひとりがアクシデントで遅れそう!肝を冷やしたけれど、矢部さんの機転で別の交通手段が提案され、切り抜けられました。よそものの自分たちだけだったらこうは行かないはず。地元の方々との恊働の大切さを実感します。
あとはみんなの無事の到着を待つだけ。
(開催の様子は「ニュース」をご覧下さい。)

撮影:アマンダ・ビルバリ

撮影:アマンダ・ビルバリ

西会津国際芸術村は、最寄り駅や繁華街から車で15~20分の距離がある山間地域寄りにありますが、そのユニークな活動と発信力によって注目され、多様なメディアで紹介されています。
ディレクターの矢部佳宏さんには2014年から「精神の〈北〉へ」に関わっていただいています。運営人材や資金の確保が容易ではない現状におけるプロジェクトの継続について考えたい今、ここでの滞在活動を経験し、ヒントを探してみようと思いました。

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

芸術村の玄関にかけられている芸術村メンバーのみなさんの名札。
車の運転をしない私たち滞在者(丸山芳子とアマンダ・ビルバリ)のために、リサーチや制作活動のサポートばかりでなく、食料の買い出しやビューポイントの紹介、開催日の出演者の送迎なども助けていただきました。名札のほかにも「地域おこし協力隊」の池田麗奈さん、すばらしい音響環境を用意してくださった加藤英二さん、西会津の精神性ポイントを案内して下さった阪下昭二郎さん、通訳してくださった楢崎萌々恵さん、この滞在活動を受け入れ支援して下さった西会津町など、多くの方に支えられた滞在でした。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

6: 丸山芳子「森羅万象というあなた」/ MARUYAMA Yoshiko, “You, The Universal Creation”

 

撮影:アマンダ・ビルバリ

撮影:アマンダ・ビルバリ

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

うっそうとした森を背景に建つかつての中学校校舎では、教室と廊下の窓をとおして、ここが生き物のワイルドな気配に包まれているのがわかります。この作品は、人間が人間以外のあらゆる存在と向き合い、もっと理解し融和しようとする意思表示です。その存在は、動植物に限らず、地霊や自然の神様や天体も含み、大らかにこちらを向きながら、校舎の外壁を越えて外界とつながり、現実の森羅万象を作品に招き入れています。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:半沢政人

撮影:半沢政人

撮影:大和田優

撮影:大和田優

 

 

7: 石倉敏明 人類学講演「宇宙論とフードスケープ」/ ISHIKURA Toshiaki, Lecture of Anthropology

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

地域の食文化は、その土地に暮らす人間が目の前に広がる田畑や里山や海の景色を食べること。つまり、私たちの内蔵の延長としてその風土があり、食べることは人間の身体と地域の生態的な宇宙をつないでいる。
プログラム盛りだくさんの長い一日を最後までお付き合い下さった方々は、西会津の味を思い出しつつ、〆の講演を堪能しました。

アーティスト達は、西会津での体験と感応を2週間後のvol.7 東京展の作品に反映させます。