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精神の〈北〉へ vol.7 かすかな共振をとらえて

Spirit of “North” vol.7     Sensing Faint Resonances

参加者 / participants
アマンダ・ビルバリ Amanda Billberg
ヴィグディス・ハウグトゥロ Vigdis Hougtrø
ヘレナ・ユンティラ Helena Junttila
石倉敏明 ISHIKURA Toshiaki
高島正志 TAKASHIMA Masashi
田附勝 TASTUKI Masaru
千葉奈穂子 CHIBA Naoko
丸山常生 MARUYAMA Tokio
丸山芳子 MARUYAMA Yoshiko

 

2017年6月9日−18日 / 9-18 June, 2017

 

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

 

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

 

この展覧会の構成で何よりも吟味したことは、広く高い天井の空間に配置した個々の作品からわき上がる表現の気のようなものが、互いに魅き合いからみあって、思いがけない化学反応を起こすことです。

立体作品や頭上の照明の支柱によって壁や床の作品に影がかかること。映像や音楽の4つの音に加えて地下鉄の通過音が、強弱の波を生みながら互いにかぶって聴こえていること。これらは通常の展示なら困りものですが、この場で偶然に発生するかかわり合いの現象を積極的に生かすことで、ひとつの空間内に有機的な共振が生まれ、民族や地域やフィールドの差を超えた「精神の〈北〉へ」の世界観が現れました。

 

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

 

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

 

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

 

東京都美術館にて開催した展覧会 [ 精神の〈北〉へ -かすかな共振をとらえて- ] 参加作家9名の作品をご紹介します。 作家や作品の詳細は、今後「アーティスト」や「活動の記録」ページにて紹介する予定です。

It’s introduction about the 9 participants of [ Spirit of “North:”  Sensing Faint Resonances ] at Tokyo Metropolitan Art Museum.

ヴィグディス・ハウグトゥロ(ノルウェイ)/ Vigdis Hougtrø (Norway)

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水彩 / Watercolor :「Elf」「Dream」「Winter Apples」など5作品、 2010
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水彩 / Watercolor:「Indigo River」2016

 

ヘレナ・ユンティラ(フィンランド)/ Helena Junttila (Finland)

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墨絵 / Sumi ink painting: 「Stop falling!」「Bear」「Dragonflies」2017 など10作品。

高島正志(日本) / TAKASHIMA Masashi (Japan)

音楽 / Music:「Music And Poetry For Sound Memories」
会津地方で採取した音などによるサウンド。ヘレナ
・ユンティラ作品の下に音源を設置(上写真)。

 

丸山芳子(日本) / MARUYAMA Yoshiko (Japan)

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水彩:「発生」「ある日の空」2017、「けものとひと-昭和村-」2014、など12作品
Watercolor: Dawm, Indication, Creatures and Humans, and so on 12 pieces.

 

人や動植物、川や月、精霊や伝承の生き物などが描かれた3名の絵画作品は、互いに融和し呼び合い、共鳴する絵画空間を醸し出しています。

 

石倉敏明 & 田附勝(日本)/ ISHIKURA Toshiaki  & TATSUKI Masaru (Japan)

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

インスタレーション:「古いみちのくの断片を保て」2017
Installation: To Sustain Fragments of Old Michinoku, 2017

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

石倉敏明 人類学講演:「東北に生きる造形思考」
Lecture: ISHIKURA Toshiaki (Anthropologist)

 

千葉奈穂子(日本)/ CHIBA Naoko (Japan) 

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

写真:「子安観音さま」「山裾のほこら」「三島の桐」2015 など11作品
Photograph: 11 pieces, Small Shrines in Skirts of a Mountain, The Paulownia of Mishima, and so on.

 

 

丸山芳子(日本)/ MARUYAMA Yoshiko (Japan) 

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

インスタレーション:「森羅万象というあなた」2017
Installation: You, The Universal Creation, 2017

 

 

アマンダ・ビルバリ(スウェーデン)/ Amanda BILLBERG (Sweden)

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

映像 / Video art:「Falling in Forest2017、2作品

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

ダンス / Dance:「Falling in Silver2017

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

公演日以外にも予告なしでダンスを行ないました。

 

 

丸山常生(日本)/ MARUYAMA Tokio (Japan)

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

インスタレーション / Installation:連接体ー「そこに、たちあがり…」2017

 

撮影:千葉奈穂子

撮影:千葉奈穂子

パフォーマンス / Art Performance:「トランジション・シリーズ」より

 

6: 丸山芳子「森羅万象というあなた」/ MARUYAMA Yoshiko, “You, The Universal Creation”

 

撮影:アマンダ・ビルバリ

撮影:アマンダ・ビルバリ

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

うっそうとした森を背景に建つかつての中学校校舎では、教室と廊下の窓をとおして、ここが生き物のワイルドな気配に包まれているのがわかります。この作品は、人間が人間以外のあらゆる存在と向き合い、もっと理解し融和しようとする意思表示です。その存在は、動植物に限らず、地霊や自然の神様や天体も含み、大らかにこちらを向きながら、校舎の外壁を越えて外界とつながり、現実の森羅万象を作品に招き入れています。

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:半沢政人

撮影:半沢政人

撮影:大和田優

撮影:大和田優

 

 

7: 石倉敏明 人類学講演「宇宙論とフードスケープ」/ ISHIKURA Toshiaki, Lecture of Anthropology

 

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

地域の食文化は、その土地に暮らす人間が目の前に広がる田畑や里山や海の景色を食べること。つまり、私たちの内蔵の延長としてその風土があり、食べることは人間の身体と地域の生態的な宇宙をつないでいる。
プログラム盛りだくさんの長い一日を最後までお付き合い下さった方々は、西会津の味を思い出しつつ、〆の講演を堪能しました。

アーティスト達は、西会津での体験と感応を2週間後のvol.7 東京展の作品に反映させます。

3: アマンダ・ビルバリ / Amanda BILLBERG,   “Silver Falling”
4: 高島正志  / 
TAKASHIMA Masashi,   “Music And Poetry For Sound Memories”

公演と展示会場の2階の元教室は、窓を取り払うと廊下からも見えます。 ビルバリの公演は、スウェーデンの雪原で倒れる映像からスタートし、ここ芸術村の会場でも激しいFalling(転落・崩壊)を繰り返しました。
会津地方で採取した音から作った高島のサウンドは、公開時間の前半にこの長い廊下全体に流され、ビルバリの表現にも挿入されました。

音響調整:加藤英二、撮影:丸山芳子

音響調整:加藤英二、撮影:丸山芳子

映像のダンス:アマンダ・ビルバリ、サウンド:ケネス・コシモ / 撮影:アマンダ・ビルバリ

映像のダンス:アマンダ・ビルバリ、サウンド:ケネス・コシモ / 撮影:アマンダ・ビルバリ

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:大和田優

撮影:大和田優

 

5: 丸山常生「『そこにいる』ということ」/ MARUYAMA Tokio

ビルバリのダンスから丸山のパフォーマンスへは自然に移行します。ビルバリの髪についたアルミ片をつまんだ丸山が紙で塞いだ教室に入り、ビルバリは中から聴こえる床のきしみ音に反応し、廊下で身振りをします。

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:丸山芳子

撮影:大和田優

撮影:大和田優

撮影:大和田優

撮影:大和田優

 

(展示・講演は次のページへ)

 

撮影:アマンダ・ビルバリ撮影:アマンダ・ビルバリ

2017年の「精神の〈北〉へ」vol.6は、会津地方北西部山間地域の西会津町での滞在活動を経て、5月27日の公開イベントを開催しました。
会場の西会津国際芸術村の玄関には、当日のプログラム。

 

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生

撮影:丸山常生
撮影:丸山常生

1: ドキュメンタリー「サーミ・ニエイダ・ヨイク」上映 / Documentary of Sami

監督:リセロッツ・ヴァイステッツ
この上映を共催するスノーコレクティブ代表の橋本晴子さんによる解説を交えて紹介。

「精神の〈北〉へ」プロジェクトは、世界の北方の人と向き合うことで東北人とは何かを探ろうと、これまでにも北欧の先住民族サーミを知るレクチャーなどを開催しています。(詳細は記録集をご参照ください)今回は、サーミである女性監督の自分を見つめる旅のドキュメンタリー上映です。
午後2時から8時まで、上映/試食/公演と展示/講演 の長い一日ですが、最初の催しからたくさんのお客様が、東京を含めた遠方からも。ありがたいです。

 

撮影:大和田優
撮影:大和田優

 2: 西会津の味 試食会 / Taste the local dishes 

料理人:
佐藤ミヨ子さん(みちのく山菜の宿 茶屋)料理5品
小野木麗子さん(ブックカフェ石竹花)スウィーツ2品

上映会から公演へ。催しの区切りに西会津の地元料理を味わっていただき、8時まで続く開催にそなえて腹ごしらえ。最後の石倉敏明 講演「宇宙論とフードスケープ」の地域食の話とも共振しています。

(公演は次のページへ)

 

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(English is following)

 

 アートプロジェクト「精神の〈北〉へ」は、東日本大震災の被害を受けた東北地方の再生を期して、2013年から福島県において開始しました。人々の真の再生のためには、東北が本来内包していた豊かな精神性を再認識し、それを回復することが必要でしょう。

 その精神性とは、例えば、かつて蝦夷(えみし)と呼ばれた東北の先住民の精神に宿り、鹿踊りや奥州平泉の中尊寺建立供養願文に込められた鎮魂の祈りや、宮沢賢治の世界観にも通底する、「眼に見えない聖なるものへの畏敬」「森羅万象への分け隔てのない眼差し」「動物や森や宇宙とも融和する原初性」が感じられるものです。

 それは、東北のみならず、アイヌ民族や世界の北方民族、さらには地域に限らず、人々の内にあり、私たちはそれを「北方的精神」と呼んでみます。

「精神の〈北〉へ」は、各人にとっての「北方的精神」とは何かを探り、世界的な視野でその共振を図ろうとするプロジェクトです。アーティストや様々な分野の研究者による、知的・感性的な交流と融合を実践し、民族やフィールドの違いを越えて、新たな北方論を紡いでいきます。

 今年の開催では、日本と北欧のアーティストや研究者が、福島野滞在活を経て、それを東京での表現に反映させます。東北と東京、日本と北欧という対比的な土地と環境を認識し、滞在地域の人々を含めた参加者同士の理解を深める体験から、表現が生み出されます。

 ひとつの展示空間に集う多様なジャンルの表現からは、自然発生的にコラボレーションが生まれるでしょう。その場が互いの差異を越えた共振で満たされ、東北や北欧の森のように観客を包むとき、それは分断化され不寛容が強まりつつある現代社会に対する、ささやかな変革の試みとなるでしょう。

 

 

展覧会 精神の〈北〉へ  – かすかな共振をとらえて –
(第6回都美セレクション)

会期:2017年6月9日~18日 9:30-17:30(金曜日は20:00まで。入室は閉室の30分前まで。)
会場:東京都美術館 ギャラリーA(東京都台東区上野公園8-36)
tel:03-3823-6921(代表)
http://www.tobikan.jp
入場無料・予約不要

■参加者:

アマンダ・ビルバリ Amanda Billberg/ダンス(スウェーデン)
ヴィグディス・ハウグトゥロ Vigdis Hougtrø/絵画(ノルウェイ)
ヘレナ・ユンティラ Helena Junttila/絵画(フィンランド)
石倉敏明 ISHIKURA Toshiaki/人類学
高島正志 TAKASHIMA Masashi/音楽
田附勝 TASTUKI Masaru/写真
千葉奈穂子 CHIBA Naoko/写真
丸山常生 MARUYAMA Tokio/インスタレーション・パフォーマンス
丸山芳子 MARUYAMA Yoshiko/インスタレーション・絵画

■イベントスケジュール

【講演】石倉敏明「東北に生きる造形思考」6/10(土)14:00~16:00

【公演】アマンダ・ビルバリ(ダンス)と丸山常生(アートパフォーマンス)による展示作品・音楽とのコラボレーション
part.1・・・6/11(日)14:00~15:30
part.2・・・6/16(金)17:30~19:00
part.3・・・6/17(土)14:00~15:30

【プロジェクト紹介・アーティストトーク】6/18(日)14:00~15:30

■交通案内

JR「上野駅」公園口より徒歩7分
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口より徒歩10分
京成電鉄「京成上野駅」より徒歩10分
駐車場はありません。

■お問い合わせ

info@spirit-of-north.net
詳細の更新は、以下のフェイスブックページをご参照下さい。
https://www.facebook.com/SeishinNoKitae/

 

 

主催:精神の〈北〉へ 実行委員会
共催:東京都美術館
助成:公益財団法人朝日新聞文化財団、スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団、The Swedish Arts Grants Committeé、Frame Contemporary Art Finland
後援:スウェーデン大使館
協力:西会津国際芸術村、フィンランドセンター(フィンランド大使館)、中野未亜、Su Grierson、studio mar、山川亜古、大野徹人、横手ありさ、Joachim Badenhorst、大岡真一郎、他

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Spirit of “North:” Sensing Faint Resonances

  The art project Spirit of ‘North’ began in Fukushima prefecture in 2013, with the aim of assisting in the regeneration the Tohoku region through engagement with its culture. This whole area and society had been so badly damaged by the Great East Japan Earthquake in 2011. The rich spirit that inherently existed in the people of this region, as well as the buildings of the cities and towns, needed to be rediscovered and regenerated.

  This project seeks to rediscover the spirit of the indigenous people of Tohoku. Through looking at the heritage of the region which might include such items as the ancients who were once called Emishi, the Deer Dance and the Dedication Pledge for the Chusonji temple of Hiraizumi city, or the views underlying the fairy stories of MIYAZAWA Kenji. Those represent the concepts such as “awe to the invisible holiness”,  “equality to all existence in the universe” and “the primordial nature where humans coexist with animals, forests, and cosmos”.

  This spirit of the North embraces all of these concepts which lie within the people of Tohoku, as well as Ainu and other northern people of the world, and furthermore in all people everywhere.

  In this project, each participant will seek their own respective spirit of the North and try to find the resonance in a global perspective. Artists and specialists in various domains will make exchanges and interactions with their knowledge and sensibilities to weave new Northern theories that surmount ethnic groups and fields of interest.

  This year, Artists and researchers of Northern Europe and Japan undertake ongoing research and creative activities during their stay in Fukushima and Tokyo. They will create their work through perceiving the contrast between Tohoku and Tokyo, or Japan and Northern Europe relating to the locality and environment they are in, and by gaining deep understanding among the participants of the project as well as the  people in the residency area.

  In the exhibition space, the expressions of their various genre will come together and the collaborative effect will arise spontaneously. By bringing together their different approaches, the audience will be lead to see this as a way of change for today’s society which is becoming more divided and intolerant.

 

<Group Show of Contemporary Artists 2017 / Spirit of “North:” Sensing Faint Resonances>

exhibition: 9 – 18 June
venue:    Tokyo Metropolitan Art Museum, Gallery A
 (address: 8-36 Ueno-Park Taito-ku, Tokyo)
tel:03-3823-6921
http://www.tobikan.jp

artist:
Amanda BILLBERG/ dance (Sweden)
Vigdis HAUGTRØ/ Installation, painting(Norway)
Helena JUNTTILA/ painting (Finland)
MARUYAMA Yoshiko/ Installation, painting
CHIBA Naoko/ photograph
MARUYAMA Tokio/ Installation, performance
TATSUKI Masaru/ photograph
TAKASHIMA Masashi/ Sound
scholar:
ISHIKURA Toshiaki/ anthropology

event:
-lecture: ISHIKURA Toshiaki -10, June,14:00~16:00

-Amanda BILLBERG (dance) and MARUYAMA Tokio (performance) collaborate with art and sound:
11, June, 14:00~15:30
16, June, 17:30~19:00
17 June, 14:00~15:30

-Introduction about the project and Artist talk: 18, June, 14:00~15:30

Organiser: Spirit of “North” Executive Committee, Tokyo Metropolitan Art Museum
Sponsors and Cooperations: The Asahi Shimbun Foundation, The ScandinaviaJapan Sasakawa Foundation, The Swedish Arts Grants Committeé, Frame Contemporary Art Finland, The Finnish Institute in Japan (Embassy of Finland in Tokyo),Embassy of Japan in Sweden, Nishiaizu International Art Village, Nakano Mia, Su Grierson, studio mar, Yamakawa Ako, Ohno Tetsuhito, Yokote Arisa, Joachim Badenhorst, Ohoka Shinichiro, etc.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西会津国際芸術村

西会津国際芸術村

今年の最初の活動は、福島県会津地方の西会津国際芸術村 (西会津町)での滞在活動です。
滞在の最後の5月27日、木造の旧中学校校舎は、アート・音楽・ダンス・アートパフォーマンスのコラボレーションと、人類学の講演の場になります。

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参加作家

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精神の〈北〉へ –かすかな共振をとらえて–

「精神の〈北〉へ」は、東日本大震災の被害を受けた東北地方の再生を期して、2012年度から福島県において開始しました。人々の真の再生のためには、東北が本来内包していた豊かな精神性を再認識し、それを回復することが必要でしょう。
その精神性とは、例えば、かつて蝦夷(えみし)と呼ばれた東北の先住民の精神に宿り、鹿踊りや奥州平泉の中尊寺建立供養願文に込められた鎮魂の祈りや、宮沢賢治の世界観にも通底する、「眼に見えない聖なるものへの畏敬」「森羅万象への分け隔てのない眼差し」「動物や森や宇宙とも融和する原初性」が感じられるものです。
それは、東北のみならず、アイヌ民族や世界の北方民族、さらには地域に限らず、人々の内にある「北方的精神」と呼べるでしょう。「精神の〈北〉へ」は、各人にとっての「北方的精神」とは何かを探り、世界的な視野でその共振を図ろうとするプロジェクトです。アーティストや様々な分野の研究者による、知的・感性的な交流と融合を実践し、民族やフィールドの違いを越えて、新たな北方論を紡いでいきます。

今回は、日本と北欧のアーティストや研究者が、福島と東京でのひとつながりの滞在活動を行ないます。東北と東京、日本と北欧という対比的な土地と環境を認識し、滞在地域の人々を含めた参加者同士の理解を深める体験から、表現が生み出されます。
ひとつの展示空間に集う多様なジャンルの表現からは、自然発生的にコラボレーションが生まれるでしょう。その場が互いの差異を越えた共振で満たされ、東北や北欧の森のように観客を包むとき、それは分断化され不寛容が強まりつつある現代社会に対する、ささやかな変革の試みとなるでしょう。

【vol.6:福島での滞在活動】

会津地方の山間地である西会津町に滞在。この地方にある精神性を読み解き、ここで感受し、コラボレーションを試みます。

2017年5月27日(土)14:00-20:00  西会津国際芸術村

(入場無料・予約不要)
福島県耶麻郡西会津町新郷大字笹川字上の原道上5752
tel&fax: 0241-47-3200
http://nishiaizu-artvillage.com/

♦♦ 14:00-16:00 北欧の先住民族サーミを知るドキュメンタリー上映  ♦♦

(共催:スノーコレクティブ)
題名:「サーミ・ニエイダ・ヨイク」
監督:リセロッツ・ヴァイステッツ
旅は多くの眠れる魂から思慕を呼び起こした・・・
スウェーデンの首都ストックホルムに暮らすリセロッツは、サーミである母から何も受け継いでいない自らのルーツを探るため、サーミの地に通い始める。自分たちは何者なのかを見出すために。
それは東北人にとっても興味深い旅のように思える。

♦♦ 17:00-20:00 展示・公演・講演  

アマンダ・ビルバリ/丸山芳子/高島正志/丸山常生/石倉敏明

・アート+ダンス+パフォーマンス+サウンドのコラボレーション
・当プロジェクトの紹介
・人類学の講演とディスカッション

 

【vol.7:東京での展覧会】

福島滞在の体験を反映させた表現が、広いひとつの空間での共振し、このプロジェクトの世界観を表します。

2017年6月9日~18日 9:30-17:30  東京都美術館 ギャラリーA

(金曜日は20:00まで・入場無料・予約不要)
東京都台東区上野公園8-36
tel:03-3823-6921(代表)

http://www.tobikan.jp/exhibition/2017_groupshow.html

 

展覧会:精神の〈北〉へ – かすかな共振をとらえて - (第6回都美セレクション)

石倉敏明/高島正志/田附勝/千葉奈穂子/丸山常生/丸山芳子/アマンダ・ビルバリ/ヴィグディス・ハウグトゥロ/ヘレナ・ユンティラ

公演:ヴィジュアルアート・サウンドアートとコラボレートする身体表現
講演:石倉敏明「東北に生きる造形思考」(仮題)

イベントスケジュール(予定)
6/10(土)14:00~16:00:講演 石倉敏明
6/11(日)14:00~15:30:公演 ダンスとパフォーマンス(ヴィジュアルアート・音楽とのコラボレーション)
6/16(金)17:30~19:00:公演 同上(内容は異なります)
6/17(土)14:00~15:30:公演 同上(内容は異なります)
6/18(日)14:00~15:30:プロジェクト紹介・アーティストトーク

 

お問い合わせ:info@spirit-of-north.net

 

 

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