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今年も福島と東京で開催します

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精神の〈北〉へ –かすかな共振をとらえて–

「精神の〈北〉へ」は、東日本大震災の被害を受けた東北地方の再生を期して、2012年度から福島県において開始しました。人々の真の再生のためには、東北が本来内包していた豊かな精神性を再認識し、それを回復することが必要でしょう。
その精神性とは、例えば、かつて蝦夷(えみし)と呼ばれた東北の先住民の精神に宿り、鹿踊りや奥州平泉の中尊寺建立供養願文に込められた鎮魂の祈りや、宮沢賢治の世界観にも通底する、「眼に見えない聖なるものへの畏敬」「森羅万象への分け隔てのない眼差し」「動物や森や宇宙とも融和する原初性」が感じられるものです。
それは、東北のみならず、アイヌ民族や世界の北方民族、さらには地域に限らず、人々の内にある「北方的精神」と呼べるでしょう。「精神の〈北〉へ」は、各人にとっての「北方的精神」とは何かを探り、世界的な視野でその共振を図ろうとするプロジェクトです。アーティストや様々な分野の研究者による、知的・感性的な交流と融合を実践し、民族やフィールドの違いを越えて、新たな北方論を紡いでいきます。

今回は、日本と北欧のアーティストや研究者が、福島と東京でのひとつながりの滞在活動を行ないます。東北と東京、日本と北欧という対比的な土地と環境を認識し、滞在地域の人々を含めた参加者同士の理解を深める体験から、表現が生み出されます。
ひとつの展示空間に集う多様なジャンルの表現からは、自然発生的にコラボレーションが生まれるでしょう。その場が互いの差異を越えた共振で満たされ、東北や北欧の森のように観客を包むとき、それは分断化され不寛容が強まりつつある現代社会に対する、ささやかな変革の試みとなるでしょう。

【vol.6:福島での滞在活動】

会津地方の山間地である西会津町に滞在。この地方にある精神性を読み解き、ここで感受し、コラボレーションを試みます。

2017年5月27日(土)14:00-20:00  西会津国際芸術村

(入場無料・予約不要)
福島県耶麻郡西会津町新郷大字笹川字上の原道上5752
tel&fax: 0241-47-3200
http://nishiaizu-artvillage.com/

♦♦ 14:00-16:00 北欧の先住民族サーミを知るドキュメンタリー上映  ♦♦

(共催:スノーコレクティブ)
題名:「サーミ・ニエイダ・ヨイク」
監督:リセロッツ・ヴァイステッツ
旅は多くの眠れる魂から思慕を呼び起こした・・・
スウェーデンの首都ストックホルムに暮らすリセロッツは、サーミである母から何も受け継いでいない自らのルーツを探るため、サーミの地に通い始める。自分たちは何者なのかを見出すために。
それは東北人にとっても興味深い旅のように思える。

♦♦ 17:00-20:00 展示・公演・講演  

アマンダ・ビルバリ/丸山芳子/高島正志/丸山常生/石倉敏明

・アート+ダンス+パフォーマンス+サウンドのコラボレーション
・当プロジェクトの紹介
・人類学の講演とディスカッション

 

【vol.7:東京での展覧会】

福島滞在の体験を反映させた表現が、広いひとつの空間での共振し、このプロジェクトの世界観を表します。

2017年6月9日~18日 9:30-17:30  東京都美術館 ギャラリーA

(金曜日は20:00まで・入場無料・予約不要)
東京都台東区上野公園8-36
tel:03-3823-6921(代表)

http://www.tobikan.jp/exhibition/2017_groupshow.html

 

展覧会:精神の〈北〉へ – かすかな共振をとらえて - (第6回都美セレクション)

石倉敏明/高島正志/田附勝/千葉奈穂子/丸山常生/丸山芳子/アマンダ・ビルバリ/ヴィグディス・ハウグトゥロ/ヘレナ・ユンティラ

公演:ヴィジュアルアート・サウンドアートとコラボレートする身体表現
講演:石倉敏明「東北に生きる造形思考」(仮題)

イベントスケジュール(予定)
6/10(土)14:00~16:00:講演 石倉敏明
6/11(日)14:00~15:30:公演 ダンスとパフォーマンス(ヴィジュアルアート・音楽とのコラボレーション)
6/16(金)17:30~19:00:公演 同上(内容は異なります)
6/17(土)14:00~15:30:公演 同上(内容は異なります)
6/18(日)14:00~15:30:プロジェクト紹介・アーティストトーク

 

お問い合わせ:info@spirit-of-north.net

 

 

2017.02.25